日本人4人が「財宝探し」で逮捕 フィリピンに眠る“100兆円”山下財宝伝説
Posted: 2018年6月18日(月) 12:42
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http://news.livedoor.com/article/detail/14880333/
日本人4人が「財宝探し」で逮捕 フィリピンに眠る“100兆円”山下財宝伝説
2018年6月18日 8時0分 デイリー新潮
日本人4人が逮捕、今どき100兆円「山下財宝」発掘(上)
【山下財宝を探していた日本人を逮捕】の報は昭和の亡霊を呼び覚ました。マレーの虎・山下大将は戦後、フィリピンの刑場に露と消えたが、敗走中に財宝を埋めた伝説は独り歩き……。今どき100兆円発掘に駆り出された理由を、逮捕の「15歳少年」が激白した。
***
「カネの話は人間を狂わせる……」
山下財宝絡みの詐欺話に乗っかって、家産を蕩尽した人の言葉である。
山下財宝に限らず、テレビ局が発掘番組を展開して煽った「徳川埋蔵金」、その欧州版とも言える「ナチスの黄金列車」。人々はそこに黄金の匂いを嗅ぐのだ。匂いなどないにもかかわらず……。
山下財宝はマレーの虎の異名を取った陸軍の山下奉文(ともゆき)大将に因んだものである。
逮捕された容疑者
かたや、昭和の妖怪こと岸信介元首相は孫の“活躍”もあってちょくちょく引き合いに出される。こなた、昭和の亡霊は、いやいやご無沙汰しております、といったところだろう。
山下大将は第2次大戦末期にフィリピン防衛を担っていた。敗色濃厚となり、中核を成すルソン島を北へ撤退というよりはむしろ壊走するなかで、略奪してきた宝石や金銀などを島の山中に埋めて隠したとされる。カネに換算するなら、100兆円、あるいは1000兆円と言われたこともあった。
そんな懐かしい響きを平成もあと1年で終わろうかという今日に届けたのは、6月2日のフィリピン地元紙である。
【山下財宝を探していた日本人が島で逮捕】
などという見出しで報じ、日本の各メディアもこれを受けて伝えたのだった。大要は以下の通りである。
〈5月31日、ルソン島沖の小さな島で、山下財宝を探していた日本人の男4人が逮捕された。うち1人は15歳の少年で、逮捕容疑は、違法な採掘、悪質な破壊行為、海洋保護区域に関する町条例違反である。同時に13人のフィリピン人も逮捕されたが、彼らは発掘作業のために雇われていた。警察は、コンプレッサー、発電機、金属探知機、削岩機やその他の採掘用品を押収。穴は深さも5メートルほどあり、1カ月以上、岩だらけの島で作業が続けられたと考えられる〉
古地図見せられ「読み解いてくれ」
15歳の少年は通訳で、残り3人の出身地と年齢は、鹿児島県(58)、神奈川県(45)、そして東京都(60)とバラバラ。この歪(いびつ)なカルテットはいったい? と疑問は募るばかりだが、それは(下)で解消するとして、まずは山下財宝の真贋について、専門家の解説に耳を傾けておかねばなるまい。
「結論から言えば、山下財宝なんてものは存在しません。では、なぜ、山下財宝の存在が広く知られるようになったのか。日本軍兵士が撤退に際し、物資や装備品の一部を土中に埋め、それらが戦後、掘り返されて見つかった。結果、山下将軍はもっと価値のある金品を隠したのではないか。フィリピンの大衆にそう信じられるようになったのです」
とは、『山下財宝』の著書もあるノンフィクション作家の生江有二氏。
フィリピンには財宝伝説が少なくないが、山下財宝はとびきり輝きを放ってきた。かつて、政府機関トップが「山下財宝の2トンのプラチナを押収」と発表したものの、実は鉄クズだったことがわかったり、あのイメルダ夫人が「マルコス大統領の資産の一部はヤマシタ財宝」とポロリしてみたり……。現地では、こちらが日本人だとわかると、日本語で書かれた古地図を見せられ、「読み解いてくれ」と今もなおオネダリされるのだとか。事実、フィリピン在住20年超のジャーナリストによると、
「財宝の話は新聞で年に数回、目にします。採掘中に事故で怪我したり亡くなったり。私自身、ルソン島北部の山で、“見てくれ、何て書いてあるんだ?”と地図を見せられたことがあります。地元の農民みたいな人でしたね。カタカナとか漢字が記載されており、読めない字も多い。財宝の在処として、『ココニ』とか書いてあったような。その人は必死でしたから財宝の存在を信じていたのでしょう」
ココニ、アソコニ……。一攫千金が叶えばという夢が彼らを支えているのだ。騙されるのは何も現地人ばかりではない。過去には、日本人が発掘中に紀元前300年頃の遺跡を破壊したこともあり、現在、宝探しができるのはフィリピン人あるいは十分な資産を持つ団体に限られる。管轄する省に1万ペソ(約2万円)の手数料を支払って許可を得る形だ。
地元民の証言
ルソン島西岸、犯行現場のカポネス島まで2キロの町で海の家を営む主人は、
「ゼネラル・ヤマシタはもちろん知ってるさ。教科書に載ってるからな。アベ・シンゾー? 誰だ、そいつは。ヤマシタが隠した財宝話はフィリピンじゃ有名だよ。“あちこちに埋めてある”と。ハンターもたくさんいる。あの(発掘の舞台となった)島には、旧日本軍が駐屯していて、たくさん戦闘で死んでいる。だから、財宝があるって話も聞いたことがあるよ。ただ、あの島で実際に掘ったというのは初めて聞いたね」
と話す。マニラからは高速道と一般道で4時間。農業と漁業、そしてマンゴーの産地としても音に聞こえている。最近はリゾートホテルもちらほらできつつある、南風が優しいところだ。
「あの島はビーチに囲まれた綺麗な島だよ。シュノーケリングにうってつけ。灯台があって、海軍の詰所があり、1週間交代で、常時3人くらい詰めている。彼らが発掘作業に気づいてなかったとは思えない。あの島は電気もないし。17人が1カ月も寝泊まりしてたなんて信じられないね」(同)
そして、
「あの日は朝5時……」
と以下のように継ぐ。
「観光課が所有する船2隻で、十数人の警察官がライフルで武装し、出かけ、午前10時過ぎ、十数人を連れて帰ってきた。みんなで囲んで大騒ぎになったよ。警官の1人は“日本人がいるぞ”と話していた。肌の色が明らかに違う男が何人かいたね。15歳くらいの子供も。みんなやつれた様子だった」
地元の検察が釈放を指示。逮捕から1日半が経過した6月1日19時、全員が釈放されたのだった。
http://news.livedoor.com/article/detail/14880333/
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日本人4人が「財宝探し」で逮捕 フィリピンに眠る“100兆円”山下財宝伝説
2018年6月18日 8時0分 デイリー新潮
日本人4人が逮捕、今どき100兆円「山下財宝」発掘(上)
【山下財宝を探していた日本人を逮捕】の報は昭和の亡霊を呼び覚ました。マレーの虎・山下大将は戦後、フィリピンの刑場に露と消えたが、敗走中に財宝を埋めた伝説は独り歩き……。今どき100兆円発掘に駆り出された理由を、逮捕の「15歳少年」が激白した。
***
「カネの話は人間を狂わせる……」
山下財宝絡みの詐欺話に乗っかって、家産を蕩尽した人の言葉である。
山下財宝に限らず、テレビ局が発掘番組を展開して煽った「徳川埋蔵金」、その欧州版とも言える「ナチスの黄金列車」。人々はそこに黄金の匂いを嗅ぐのだ。匂いなどないにもかかわらず……。
山下財宝はマレーの虎の異名を取った陸軍の山下奉文(ともゆき)大将に因んだものである。
逮捕された容疑者
かたや、昭和の妖怪こと岸信介元首相は孫の“活躍”もあってちょくちょく引き合いに出される。こなた、昭和の亡霊は、いやいやご無沙汰しております、といったところだろう。
山下大将は第2次大戦末期にフィリピン防衛を担っていた。敗色濃厚となり、中核を成すルソン島を北へ撤退というよりはむしろ壊走するなかで、略奪してきた宝石や金銀などを島の山中に埋めて隠したとされる。カネに換算するなら、100兆円、あるいは1000兆円と言われたこともあった。
そんな懐かしい響きを平成もあと1年で終わろうかという今日に届けたのは、6月2日のフィリピン地元紙である。
【山下財宝を探していた日本人が島で逮捕】
などという見出しで報じ、日本の各メディアもこれを受けて伝えたのだった。大要は以下の通りである。
〈5月31日、ルソン島沖の小さな島で、山下財宝を探していた日本人の男4人が逮捕された。うち1人は15歳の少年で、逮捕容疑は、違法な採掘、悪質な破壊行為、海洋保護区域に関する町条例違反である。同時に13人のフィリピン人も逮捕されたが、彼らは発掘作業のために雇われていた。警察は、コンプレッサー、発電機、金属探知機、削岩機やその他の採掘用品を押収。穴は深さも5メートルほどあり、1カ月以上、岩だらけの島で作業が続けられたと考えられる〉
古地図見せられ「読み解いてくれ」
15歳の少年は通訳で、残り3人の出身地と年齢は、鹿児島県(58)、神奈川県(45)、そして東京都(60)とバラバラ。この歪(いびつ)なカルテットはいったい? と疑問は募るばかりだが、それは(下)で解消するとして、まずは山下財宝の真贋について、専門家の解説に耳を傾けておかねばなるまい。
「結論から言えば、山下財宝なんてものは存在しません。では、なぜ、山下財宝の存在が広く知られるようになったのか。日本軍兵士が撤退に際し、物資や装備品の一部を土中に埋め、それらが戦後、掘り返されて見つかった。結果、山下将軍はもっと価値のある金品を隠したのではないか。フィリピンの大衆にそう信じられるようになったのです」
とは、『山下財宝』の著書もあるノンフィクション作家の生江有二氏。
フィリピンには財宝伝説が少なくないが、山下財宝はとびきり輝きを放ってきた。かつて、政府機関トップが「山下財宝の2トンのプラチナを押収」と発表したものの、実は鉄クズだったことがわかったり、あのイメルダ夫人が「マルコス大統領の資産の一部はヤマシタ財宝」とポロリしてみたり……。現地では、こちらが日本人だとわかると、日本語で書かれた古地図を見せられ、「読み解いてくれ」と今もなおオネダリされるのだとか。事実、フィリピン在住20年超のジャーナリストによると、
「財宝の話は新聞で年に数回、目にします。採掘中に事故で怪我したり亡くなったり。私自身、ルソン島北部の山で、“見てくれ、何て書いてあるんだ?”と地図を見せられたことがあります。地元の農民みたいな人でしたね。カタカナとか漢字が記載されており、読めない字も多い。財宝の在処として、『ココニ』とか書いてあったような。その人は必死でしたから財宝の存在を信じていたのでしょう」
ココニ、アソコニ……。一攫千金が叶えばという夢が彼らを支えているのだ。騙されるのは何も現地人ばかりではない。過去には、日本人が発掘中に紀元前300年頃の遺跡を破壊したこともあり、現在、宝探しができるのはフィリピン人あるいは十分な資産を持つ団体に限られる。管轄する省に1万ペソ(約2万円)の手数料を支払って許可を得る形だ。
地元民の証言
ルソン島西岸、犯行現場のカポネス島まで2キロの町で海の家を営む主人は、
「ゼネラル・ヤマシタはもちろん知ってるさ。教科書に載ってるからな。アベ・シンゾー? 誰だ、そいつは。ヤマシタが隠した財宝話はフィリピンじゃ有名だよ。“あちこちに埋めてある”と。ハンターもたくさんいる。あの(発掘の舞台となった)島には、旧日本軍が駐屯していて、たくさん戦闘で死んでいる。だから、財宝があるって話も聞いたことがあるよ。ただ、あの島で実際に掘ったというのは初めて聞いたね」
と話す。マニラからは高速道と一般道で4時間。農業と漁業、そしてマンゴーの産地としても音に聞こえている。最近はリゾートホテルもちらほらできつつある、南風が優しいところだ。
「あの島はビーチに囲まれた綺麗な島だよ。シュノーケリングにうってつけ。灯台があって、海軍の詰所があり、1週間交代で、常時3人くらい詰めている。彼らが発掘作業に気づいてなかったとは思えない。あの島は電気もないし。17人が1カ月も寝泊まりしてたなんて信じられないね」(同)
そして、
「あの日は朝5時……」
と以下のように継ぐ。
「観光課が所有する船2隻で、十数人の警察官がライフルで武装し、出かけ、午前10時過ぎ、十数人を連れて帰ってきた。みんなで囲んで大騒ぎになったよ。警官の1人は“日本人がいるぞ”と話していた。肌の色が明らかに違う男が何人かいたね。15歳くらいの子供も。みんなやつれた様子だった」
地元の検察が釈放を指示。逮捕から1日半が経過した6月1日19時、全員が釈放されたのだった。
http://news.livedoor.com/article/detail/14880333/